吟醸酒は冷やすべき?温度と味わいの関係|超吟醸祭 powered by SIPORY
2025/7/8

「この日本酒、冷やして飲んでくださいね」
飲食店で吟醸酒を頼むと、そんなひと言が添えられることがよくあります。
でも、そもそも日本酒って“熱燗で楽しむもの”というイメージもあるし、
「なんで吟醸酒だけ“冷やす”のが当たり前なの?」と疑問に思ったことがある方もいるのではないでしょうか。
今回は、吟醸酒と温度の関係について、やさしく解説していきます。
香り、味わい、温度によって変わる吟醸酒の表情。
百聞は一飲にしかず──そう感じたあなたに、ぜひ足を運んでほしい場があります。
2025年10月18日(土)・19日(日)、池袋・中池袋公園で開催される「超吟醸祭 powered by SIPORY」では、全国40以上の酒蔵による150銘柄以上の吟醸酒を、2時間飲み比べ形式で体験できます。
温度によってどう変わるか。好みの香りや味わいはどこにあるのか。
知識より、体験で。あなたの“好き”を探す2日間。

「吟醸酒=冷やして飲む」が定番の理由
吟醸酒は、米をしっかり削り、低温でじっくり発酵させてつくられる日本酒です。
その特徴は、なんといってもフルーティーで華やかな香り。
リンゴやメロン、バナナのような香りを感じることもあり、日本酒ビギナーにも「飲みやすい」「香りがいい」と好まれるタイプです。
この吟醸香は、実はとても繊細。
温度が上がると、香りが変質したり飛んでしまったりしやすく、せっかくの魅力が損なわれてしまうことがあります。
だからこそ、多くの蔵元や酒販店では「吟醸酒は冷やして」が基本の提案になるのです。
どれくらい冷やすのがベスト?
日本酒の温度帯には名前がついています。
たとえば以下のように分かれます:
雪冷え(ゆきびえ):5℃前後
花冷え(はなびえ):10℃前後
涼冷え(すずびえ):15℃前後
常温:20℃前後
ぬる燗:40℃前後
上燗:45℃前後
熱燗:50℃前後
飛び切り燗:55℃以上
吟醸酒を楽しむ場合は、10℃〜15℃くらいがおすすめ。
つまり「冷蔵庫でしっかり冷やして」「グラスに注いで少し置いたころ」がちょうどいい温度感になります。
冷やしすぎると香りが閉じてしまうため、キンキンにする必要はありません。
「冷やす」と「冷やおろし」は違うの?
似た言葉で混乱しがちですが、「冷やおろし」は秋に出荷される熟成タイプの日本酒のこと。
それに対し、「冷やして飲む」はあくまで飲用温度のことです。
なお、“冷やおろしの吟醸酒”のように両方の意味を持つケースもありますが、どちらも「ひや=冷たい」という意味ではない点に注意です。
ちなみに「冷やおろし」は“火入れ後に冷暗所で熟成させた酒”を秋に出すもので、「常温で落ち着かせた(=冷やした)状態で出荷する」からそう呼ばれています。
実は吟醸酒も「温めて飲んでOK」な場合がある
吟醸酒=冷やして、が一般的ですが、実は温めて飲むのが合う吟醸酒も存在します。
特に、以下のような条件を満たす場合:
熟成させた吟醸酒(冷やおろし、古酒など)
純米吟醸で、旨みがしっかりあるタイプ
香りより味のふくらみに重きを置いた造り
こうした吟醸酒をぬる燗(40℃前後)で飲むと、
香りはやや穏やかになりますが、まろやかで落ち着いた味わいになり、料理との相性がぐっと広がります。
香りを引き立てたいなら冷やす、
味の丸みを楽しみたいなら温める、
──そんなふうに考えると、楽しみの幅がぐっと広がるはずです。
温度で味がどう変わるの?
日本酒は、温度を変えるだけで“まるで別の酒”のように味わいが変化します。
たとえば吟醸酒で比べてみると──
温度帯 | 味わいの特徴 |
|---|---|
5〜10℃ | 香りがやや控えめ、シャープで軽やか |
10〜15℃ | 香りが立ち、バランスの良さが感じられる |
20℃前後(常温) | 香りが落ち着き、味の厚みを感じやすくなる |
40℃前後(ぬる燗) | 酸味やコクが引き立ち、落ち着いた印象に |
もちろん、銘柄や造りによっても異なるため「絶対こうなる」とは言い切れませんが、
試しに1本で温度を変えてみるだけでも、驚くほど印象が変わるはずです。
一番大事なのは、「自分が好きかどうか」
「この酒は冷やすべき」「温めたらダメ」というルールは、実はありません。
造り手が想定している“飲み頃温度”はあるとしても、
最終的に「おいしい」と感じる温度は、飲み手が決めていいのです。
たとえば冷やすと香りが引き立つけど「ちょっとキツい」と感じる人もいれば、
ぬる燗にしたことで「やさしい味になった」と感じる人もいる。
それが日本酒の面白さでもあります。
いろんな温度で、飲み比べてみよう
飲み方に正解はありません。
でも、正解がないからこそ、試す価値があります。
もし飲んだことのない吟醸酒があれば、
最初は冷やして、次は常温に置いてみて、最後に少し温めてみる。
そんなふうに、ひとつの酒を3回楽しんでみるのも、日本酒の醍醐味です。
味も香りも、時間も温度も、すべてが「変わるからこそ面白い」。
それが吟醸酒の奥深さでもあります。
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